動かして学ぶバイオメカニクス#14 〜関節に作用するトルクの物理的意味〜
概要
多体系の合成の「ニュートンの運動方程式」の物理的意味は明瞭である.もし床反力が身体に作用しているなら,床反力が操作できる唯一の外力となり,それは身体重心の加速度で定まり,全身の運動の仕方を拘束する.
一方,「オイラーの運動方程式」から関節に作用するトルクの意味を考えるためには,同様に合成の運動方程式を導く必要がある.しかし,これまで示した合成の回転の運動方程式には並進力が式に混在し,この式ではトルクの物理的意味がわからない.そこで,並進のダイナミクスと同様に,回転の合成の力学でも慣性力と重力加速度だけで記述できる形式に落とし込む.そして,そこから身体運動における回転のダイナミクスの重要な性質が見えてくる.これはトレーニングにおいても重要な考え方の根幹となるだろう
目次
- 訂正のお詫び
- はじめに
- 関節に作用するトルク
- 合成の運動方程式
- 合成の回転の運動方程式の導出
- コードとしての合成の運動方程式
- 身体運動における関節のトルクの意味
- 回転の慣性力は小さい方が良い?
- トルクは姿勢で一意に定まる
- vs トルクの関節運動還元主義
- 動かして学ぶ関節のトルクの計算と意味
- おわりに
- 今後の話題について
- 補足
- 補足1:力のモーメントとトルク
- 補足2:先細り構造
- 補足3:トルクの関節運動還元主義
- 参考文献
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動かして学ぶバイオメカニクス#14 〜関節に作用するトルクの物理的意味〜