運動における力計測
運動のパフォーマンスを知る上で,角度,位置,速度,加速度などの運動を知ることは重要です.
さらに,それらの原因を作っている力について理解することも,重要です.
たとえば,投球速度やスイング速度が最大になる時間よりもかなり前に,身体全体で運動のエネルギーが生成され,腕やバットなどの道具に伝達されています.ゴルフスイングの場合では,トップからダウンスイングの前半でスイング速度は決まってしまいます.
リリースする際やヒットする際にいくら努力しても,一般には,エネルギーを増大させるという意味では,手遅れです.ゴルフにおける具体例は「フォースプレートでできること」をご覧ください.
速度などの運動現象は,あくまでも力によってなされた現象の現れですから,運動の原因である力を計測し可視化することはとても重要です.
反力をいかす
ヒトは大きな力を発揮するために,何かを押したりすることで初めて大きな反力を得ることができます.
硬いものや重たいものなどを押すことで,大きな反力が生まれます.極端に述べると,押すものがなければ大きな反力は得られません.
スポーツに限らず多くの身体運動では,ヒトは地面を押すことで,反力を得ることができ,その力を身体運動に有効利用しています.
床反力(地面反力)
身体全体にとって,床反力は身体運動を行うための外力になります.すなわち運動の動力源です.身体が接触している部分が地面以外になければ,身体運動において床反力が(見かけ上)唯一の外力になります.
身体運動の課題
したがって,身体運動ではこの床反力を生成し,それを目的の場所に伝達することが運動における最も重要な課題になります.
歩行やランニングなら,床反力を身体重心に伝達することで,ゴルフスイングならクラブに伝達し,野球の投球ならボールに伝達することが運動の主な課題になります.
身体を移動する際には床反力が身体重心に作用することがイメージしやすいかもしれません.さらに身体重心よりも離れたボールやクラブなどの道具に伝達する運動の場合,床反力が伝達していくことがイメージしにくいかもしれませんが,実は,スイング運動でも,スイング(振り子)運動を行うための動力源はやはり床反力が中心で,身体を経由して伝わっていきます.
床反力を計測する道具:フォースプレート
フォースプレートは身体運動の動力源である床反力(地面反力)を計測する道具です.フォースプレートを用いた計測によってどのようなことを明らかにできるかは「フォースプレートで計測できること」を,フォースプレートの詳細は「フォースプレートによる力計測」をご覧ください.