オイラーパラメータ(単位クォータニオン)は3次元の姿勢や回転を表現する上で,優れた記述方法です.

ここでは,その数学的なアイデアのもととなった,2次元平面の回転を表す複素数オイラーの公式について,述べていきます.この概念をしっかりと理解しておくことが,オイラーパラメータで回転を計算する上で役立つはずです.

実数の世界

複素数回転が関係すると言っても,なかなかピンとこないかもしれません.

その前に,ここでは,まず,一直線を表す数直線を示します.


数直線


このように数直線は,図の左右の位置を表すことができます.

複素数と複素平面


f1, f2, f3, f4の力覚センサによって計測される床反力


フォースプレートは,通常,3個または4個の力覚センサによって,まずを直接測します.この複数の力覚センサで計測される力の総和が床反力地面反力)です.このとき各センサの位置が既知なので,COP(圧力中心)やフリーモーメントなどを計算できますが,これらは二次的に計算される物理量です.

そこで,ここでは,この「床反力の物理的な意味」について考えていきます.

床反力とは?

通常,フォースプレートの上にはヒトが立ち,そのときの身体運動によって発揮される床反力が計測されますが,この床反力が物理的にどのようなメカニズムによって変化するかその力学を考えていきます.

なお,一般的には,吸盤などによってフォースプレートに接触するような利用方法は想定されていません.水平方向には摩擦だけが作用し,法線(鉛直)方向に対してはフォースプレートを持ち上げる(引っ張る)ような力を作用させないことが前提となっています.


床反力の水平成分が走速度を規定


フォースプレートで床反力を計測すると,その大きな鉛直方向の力成分に注目してしまいます.実際,ランニングの運動の床反力を計測すると,大きな鉛直方向が計測され,走速度が大きいほど鉛直方向の速度も大きくなります.

しかし,いくら鉛直(法線)方向の力が大きくても,空中期の時間が長くなるだけです.「走速度を直接拘束するのは,床反力水平成分」です.

走速度に対する鉛直成分と水平成分の関係

走速度は床反力の水平成分によって直接規定され,「水平歩行の加速度の積分(面積)」によって計算されます.なお,水平方向の加速度は床反力の水平成分を質量(体重)で割ることで計算できます.

ただし,身体運動では,床反力の水平成分は鉛直方向の成分と独立に決まるわけではありません.