バイオメカニクスでは関節に作用するトルクを計算することで,運動のメカニズムを探ろうとすることが多い.もし,アクチュエータ(モータ,筋肉など)が作用する関節を局所的に制御するだけなら,トルクの役割は明確だ.しかし,ヒトは負荷が大きくなるにつれ,一つの筋肉や一つの関節でその負荷に対処することができずに,離れた部位の筋肉へ力を分散・分担させる必要が出てくる.このようなときにトルクの物理的意味は全く異なり伝達や分散が役割となる.したがって単にトルクを計算するだけでは身体運動の物理的意味は見えてこないだろう.筋力は動力を生成しながら同時に伝達を担うが,トルクはこの伝達の記述に向いていない.

目次

  • はじめに
  • 運動方程式
    • 多様な運動方程式
  • 並進と回転のダイナミクス
    • 最終的な動力の出口は力
    • 押す力学
    • 速度と時間のトレードオフ
    • 速度と拘束のトレードオフ
    • 動力源と伝達部位は離れている
    • 押す力学を支える回す力学
    • 筋肉を使用しない伝達
  • おわりに
  • 補足
    • 補足1:貢献度

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Sports Biomechanics Geek #2 〜動力生成と伝達〜



目次

  • はじめに
  • 身体運動を拘束するもの
    • 1.筋肉の粘性特性
    • 2.リンク機構
    • 3.効率
    • 正確性とトレードオフ関係
    • 効率と負荷の分配
    • 効率を構成するもの
    • 手先効果器と関節
  • 終わりに
  • 補足
    • 補足1:ロボットの対比
    • 補足2:弾性の利用
    • 補足3:解剖学的拘束の例
    • 補足4:運動の生成
  • 参考文献

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Sports Biomechanics Geek #1 〜身体運動を拘束するもの〜